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本条は、一方の取引当事者に対して、その「メッセージ」が相手方を規制する法律に従うことを要求するものではない。しかし、第5.2.2条〜第5.2.4条の規定は、一方の当事者からの「メッセージ」を相手方が受信または保存するとき、これが相手方にとって適用法規の違反となる場合の当事者の対処方法の概要を述べている。

 

 第7.6条の規定にあるように) [かかる法律違反に関する]通知がまず必要であり、以後、原発信者は法律違反となる行為を停止しなければならない。個人のプライバシーに関するデータを含むメッセージを、データ保護法のない国からデータ保護法を実施している国に送信することが、その一例である。

 

第6章 責任

 

第6.1条 不可抗力

 

本条は、電子的通信の実行中に予期せぬ責任が発生する危険を除去することによって、電子的通信を実施しようという当事者相互の意思を支援するものである。第6.1条には、履行遅滞または不履行が当事者の支配の及ばない事態に起因する場合に当事者の免責を認めるという、多くの商取引協定書に慣例として用いられる文言が含まれている。

 

もちろん、両当事者は、当事者の支配の及ばない「不可抗力」(“force majeure”)とみなす事態をより詳細に指定することができる。予知し得る事態(天災等)が発生した場合でも、かかる支配の及ばない事態の発生による影響を回避または克服できないときは、責任を問われないものとする。

 

第6.2条 損害賠償の制限

 

本条は、本「協定書」に従ってEDIを使用したことによって指定した種類の損害賠償の責を問われる可能性はないとする当事者相互の意思を明記する。契約によって生ずる義務に違反した場合の損害賠償(適用可能な場合は、特別損害賠償、派生的損害賠償、付随的損害賠償または懲罰的損害賠償を含む)を請求する権利を取引当事者に与えている国内法体系もある。この種の損害賠償は、しばしば逸失利益を補償するため、あるいは著しく不適切な行為に制裁を加えるために認められる。

 

この種の損害賠償が当事者間に存在する他の契約上の債務に関する条項に基づいて課せられるか否かは、本条が決定することではない。本条の実施を制限する国内法もある。

 

第6.3条 第三者サービス提供者に関する責任

 

EDIを使用する多くの企業は、必要な通信機能または関連機能(例えば、「メッセー

 

 

 

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